今日は初のプレゼンテーションでした。
テーマは自国リーグの外国人枠について。
約3時間のクラスの後、プレゼンが終わった開放感とともに、
クラスメート約10人でパブに雪崩込みました。
クラスの雰囲気が徐々に打ち解けてきたこともあり、
開講当初に比べて、少しずつ込み入った話しをするようになってきました。
僕自身、プレゼンテーションの全体としての出来栄えは悪かったのですが、
そこで取り上げたある内容が彼らにとって興味を引くものだったらしく、
パブで色んな意見交換をしました。
これまでの単なる国際交流ではない、一歩進んだ展開に。
他にも自転車競技におけるドーピングの是非など、
いくつかのトピックが持ち上がっていたのですが、
僕にとって最も印象的だったのが、
最近のブラジル代表選手の選出について。
ブラジル人のクラスメートがこんなことを
言っていました。
・代表スタッフ陣にかかるスポンサーからの圧力が大きくて、最近は
「能力のある選手」ではなく「人気のある選手」が選出されている。
・結果的に、その状況を好ましいと思っていないブラジル国民の間で、
代表人気が低下している。
人気選手を選出しているのに、逆に人気が落ちるなんて、
皮肉な出来事だと思います。
ここで「それは良くないよね。本質的ではないよね。」
というのは至極簡単なのですが、問題は
自分が実際の環境に身を置いたら、適切な判断が出来るのかどうか。
例えば自分が代表監督として、選手起用に関する全責任を負っていたとする。
スポンサーが、「この選手を今度の大会で起用して欲しい。
もし万が一起用しないで、かつ優勝できなかったら、
協会に圧力をかけてやる」と言ってきたとする。
その選手が自分の想定する戦術にそぐわないとしたら、
その時自分はどんな行動を取れるのか。
その選手の起用を優先して戦術を修正するのか、
戦術を貫いてその選手を全く起用せずに優勝を目指すのか。
「圧力」といっても単なる脅しにしか過ぎず、
辞任に追い込まれるまでにはならないと考えるのか。
任期があとどうせ半年に迫ってるから、1ヶ月後に辞任させられても
そんなに大差ない、と捉えるのか。
はたまた、その選手を先発ではなく途中出場で出して、
折衷案をとっていくのか・・・。
こうして考えていくと、捉え方や選択肢は色々あって、
とにかく「有能な選手」を選出すればいいんだ、
という考えは極めて表面的なものに思えてしまいます。
アカデミックに特化したMaster(修士)過程にいるのであれば、
客観的な立場に徹することもいいと思っています。
ただ、僕たちはなぜMaster of Business Administration(経営学修士)
という、異なる名称のところにいるのか。
多様な観点から物事を取らえ、
何らかの判断基準をそこから見出し、
リスクを抱えつつも日々決断・実行していく、
そのためのスキルやマインドセットを会得するというのが、
今僕たちがここにいる目的なんじゃないかな、と思っています。
英国にいる、リバプールにいるという新鮮味は徐々に失いつつありますが、
それに反比例する形で、知的興奮度が高まってきているような気がします。
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